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フランチャイズでの多店舗展開の進め方

フランチャイズ(FC)加盟後に1店舗目が軌道に乗ると、次のステップとして複数店舗の運営(多店舗展開)を視野に入れるオーナーも少なくありません。こちらの記事では、多店舗展開を行うメリットや経営で直面しやすい課題、出店を判断する基準について解説します。

フランチャイズで多店舗展開を行うメリット

一括物流による仕入れコストの抑制

複数の店舗を運営するようになると、会社全体の総発注量が増えるため、本部の持つ購買力や一括物流網のスケールメリットをより効率的に受けやすくなります。ただし、多くのフランチャイズ契約では品質統一のために仕入れ先が指定(指定仕入れ義務)されているため、加盟店が直接業者と交渉するのではなく、本部自体が強い調達力と割安な供給システムを確立しているかを見極めることが重要です。

特定エリアへのドミナント戦略

特定の地域に集中して出店する「ドミナント戦略」をとることで、そのエリア内でのブランドの知名度を効率よく高めることができます。地域住民への認知が広がりやすくなるだけでなく、店舗間の距離が近いため、広告宣伝の集約や本部の指導員(SV)による巡回管理の効率化が図れる点もメリットの一つです。ただし、エリアを集中させすぎると地域依存のリスクも生まれるため、バランスの良い展開計画が求められます。

店舗間での相互補完

1つの店舗が周辺の工事や競合の参入などによって一時的な減収に見舞われたとしても、他の店舗が黒字を維持していれば、会社全体の経営を安定させるリスクヘッジにつながります。また、急なスタッフの欠員や食材の過不足が発生した際にも、近臨時店舗間で人員や在庫を融通し合うことで、機会損失を抑えやすくなります。

複数店舗の経営で直面する組織と実務の壁

オーナーが現場を離れられない属人化

多店舗展開において多くのオーナーが最初につまずきやすいのが、「自分自身が現場を離れられない」という問題です。オーナーのカリスマ性や個人の労働力に頼った属人的な運営を続けていると、店舗数が2〜3店に増えた段階で物理的な限界を迎えてしまいます。多店舗化を成功させるには、オーナー自身がプレイヤーから経営者へとシフトする必要があります。

自社競合(カニバリゼーション)のリスク

近いエリアに出店を重ねるドミナント戦略では、自社店舗同士で顧客を奪い合ってしまう「カニバリゼーション」に注意が必要です。これらを防ぐために、契約を結ぶ際は本部がどのような「テリトリー権(商圏保護特約)」を設けているか、また出店時にカニバリを起こさないための緻密な商圏分析サポートを行ってくれるかを事前に精査しておく必要があります。

品質のバラつきによるブランド毀損

店舗数が増えるにつれて、接客レベルや調理クオリティの管理が難しくなります。スタッフ教育が形骸化してしまうと、「1つの店舗の悪評やトラブルが、SNSなどを通じて全店舗のイメージを連鎖的に下げてしまう」というリスクが生じかねません。どの店舗でも均一なサービスを提供できる、標準化された仕組みづくりが不可欠です。

2店舗目以降の出店を判断する基準

既存店の安定した黒字化

次なる出店に踏み切るための大前提として、現在運営している店舗の業績が安定しているかどうかが挙げられます。目安として、既存店が数年にわたって継続的に黒字を維持できているタイミングでの検討が推奨されます。新店舗が軌道に乗るまでの赤字補填や初期費用の支払いに耐えられるよう、手元流動性(運転資金)に十分なゆとりを持つことが大切です。

現場を一任できる店長候補の育成

オーナーが店舗に常駐しなくても、現場の運営やアルバイトスタッフの管理を安心して任せられる「優秀な店長(右腕)」が育っているかどうかも極めて重要な判断軸です。自分に代わって店舗の仕組みを回してくれる人材の確保ができて初めて、次の出店へと駒を進を進めることができます。

多店舗化をスムーズに進めるFCの選び方

経営スタイルに合わせた業態選択

多店舗展開を見据えたフランチャイズ選びでは、そのビジネスモデルが「拡大に向いているか」を見極めることが大切です。例えば、初期投資を抑えて手仕事の多い小規模なFCモデルは、1〜2店舗を個人経営するのには向いている反面、店長個人の能力やキャラクターに売上が依存しやすいため、店舗を増やした際にクオリティの維持が難しくなる性質があります。

中長期的に大きな収益の柱を作り、現場を組織化して広げていきたい場合は、客席を構える本格的なレストランやファミリーレストランのような「仕組み化前提のモデル」が選択肢となります。

標準化システムと本部インフラの重要性

組織を拡大しても品質がブレないためには、本部のインフラの強さが鍵となります。たとえば、調理工程を簡素化する一括物流網や、タッチパネル・配膳ロボットなどの省人化DXが最初から標準化されているブランドであれば、店長個人の能力に依存せず「仕組みで勝てる体制」を作りやすいため、4店、10店と増やしても品質がブレにくく、管理工数も低く抑えやすくなります。

また、将来的に異なる業種のブランドを組み合わせてリスク分散を図る「メガフランチャイジー」への発展性を見据える上でも、本部のインフラやマニュアルの完成度は重要な指標です。目先の初期投資の低さだけでなく、「何店舗までスムーズに拡大できる設計図が用意されているか」という視点でフランチャイズ本部を比較検討してみましょう。

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