飲食店のフランチャイズ事業で成功するためには、どのブランドに加盟するかが大きく影響します。利益を求めるなら、特にその企業の業績を見ることが非常に大切です。フランチャイズに加わると企業の名前を利用して営業することになるため、実績のある企業を選べば、フランチャイズとして成功する可能性も自然と高まります。
長期的に安定して成長している企業を選ぶことで、将来的にも安定した収入が見込めるでしょう。
逆に業績が良くないフランチャイズに加盟してしまうと、収益を上げるのが一層困難になるため、加盟を決める前にはしっかりと業績をチェックしましょう。
店舗型フランチャイズで成功するために大切なのは、集客力です。ブランディングや商品開発、広告宣伝や従業員教育など、手厚いサポートを提供している本部を選びましょう。
特に、コロナ禍や物価高騰、人件費高騰などにより、多くの飲食店が苦戦を強いられる現在、時代に合わせて経営戦略をスピーディに変えられるフランチャイズがおすすめ。その都度新たなニーズを的確に掴み、商品やサービスを開発している企業なら、長期に渡り利益を得られる可能性が高まるでしょう。
一つの店舗で時間帯によりターゲットを変えて営業を行うことを、二毛作ビジネスといいます。二毛作のメリットは、1つのターゲットに絞らず幅広く集客できること。
例えば、昼はファミリーレストランとして主婦や家族連れを集客し、夜は本格イタリアンとしてカップルや記念日のニーズに応えることで、多様なターゲットを集客することが可能。売り上げの浮き沈みがなく、安定した経営を行うことができます。
フランチャイズで店舗を開く際には、開店予定地の近くにある他の飲食店とどのように差をつけられるか、メニューや価格、内装に注目してみましょう。また、その地域の特性を把握し、どんな戦略で店舗を展開するかも大切です。
例えば、駅前やビジネス街、繁華街、住宅街など、立地の特徴に応じて、フランチャイズ本部がどのように計画を立てているかを見ることは、フランチャイズを選ぶ際に重要なポイントとなります。
フランチャイズを選ぶ上で最も重視すべき点は、フランチャイズ本部と価値観が共有できるかどうかです。価値観が一致しないと、店舗の一貫した運営が困難になることが容易に想像できます。長期的な目標の一致や、運営方針が同じであることは、信頼できるビジネスパートナーとして一緒に成長していくために、非常に重要です。
少々厳しい表現になるかもしれませんが、フランチャイズ契約を安易に考えているオーナーほど、フランチャイズでの失敗が多いと言えます。フランチャイズ契約では、本部はビジネスパートナーの立場であり、赤字が出たとしても救済は期待できません。
フランチャイズ契約はあくまでスタートラインであり、加盟してからは自分自身の努力で利益を出す必要があります。この認識を持って徹底して取り組むことで、成功への道が開けるでしょう。
飲食店のフランチャイズは、大きく分けて「店舗型」と「デリバリー専門/移動販売型」の2種類に分けられます。それぞれ利益率が異なっており、店舗型の利益率は約8.6%。店舗の賃料などによって利益率が圧迫されるため、目標値である10~15%よりも低めです。ただし、店舗型の飲食店は集客力があり、大きな売上を上げている店舗も少なくありません。
これに対してデリバリー専門/移動販売型の利益率は約35%。店舗型に比べて、店舗の賃料や人件費といったコストを大幅に削減できるため、店舗型の飲食店よりもはるかに高い利益率でビジネスを展開することが可能です。
以下では、店舗型とデリバリー専門店の初期費用やランニングコスト、利益率を比較しています。一概にどちらが良いとは言えませんが、それぞれの特徴を良く把握した上で出店を検討することが大切です。
店舗型 | デリバリー専門店 |
---|---|
初期費用の違い | 店舗を持たない分、デリバリー専門店の方が低い |
ランニングコストの違い | 店舗を持たない分、デリバリー専門店の方が低い |
売上の違い | 店舗型の方が、幅広く集客し売上を上げることが可能 |
利益率の違い | デリバリー専門店の方が高い 店舗型約8%、デリバリー専門店約35% |
ブランディングのしやすさ | お店としての実績がある店舗型の方がブランディングしやすい |
天候の影響 | 店舗型は天候に左右されやすい |
デリバリー専門店のメリットは、初期費用やランニングコストを抑えて店舗運営ができる点や、利益率が高い点にあります。一方で、通りすがりの来店や見込み客の発掘が期待できない分、こちらから積極的にアプローチしなくてはなりません。また、Uber Eatsや出前館といったデリバリーサービスを利用する場合は、代行料ががかる上、ある程度冷めてもおいしく食べられるようなメニューを工夫することが大切です。
これに対して店舗型は、初期費用やランニングコストはかかるものの、顧客のニーズを汲み取った満足度の高いサービスを提供することができます。また、店舗型の方が信頼性が高いと感じる人は多く、リビーターも確保しやすいのが特徴です。工夫次第で大きな売上を確保することもできるので、時代の変化に流されない飲食店を経営したい方には、店舗型を選ぶのがおすすめです。
レストランフランチャイズ本部54社を調査したところ、コロナ禍でも業績を伸ばしていると記載があった(2023年12月時点の調査)のはたった3社でした。
この3社は業態が大きく異なるため、自社の事業戦略に適したフランチャイズ本部を選びましょう。
“売れる仕掛け”で
競合と差別化を図るなら
カジュアルイタリアンであるVANSANは、「低価格×お洒落」をコンセプトにし30代前半の女性やファミリー層から高い支持を得ています。 繰り返し来店することを促すリピート戦略を確立しており、季節ごとに新メニューやSNSでの話題性を高める「乗せ放題サービス」など、目を引くマーケティング戦略を展開しています。
この結果、2020年から2023年にかけての経済困難期でも売上成長率は261%に達し、店舗の拡大を続けています。
加盟金 | 330万円(税込) |
---|---|
保証金 | 100万円 |
店舗数 | 80店舗(2023年12月時点) |
既存店舗を活かしつつ
メニューを展開するなら
BIGOLIは、メニューのみをフランチャイズとして提供する「メニューライセンス」を提供しており、初期費用を大きく抑えて加盟が可能です。このライセンスは、保証金やロイヤリティの負担が一切ないため、既存の飲食店がそのままBIGOLIのメニューを導入し、ビジネスとして展開することが可能です。
特にコロナ禍で収益が減少した店舗がランチタイムの戦略として導入し、業績回復を果たした例も見られます。
初期費用 | 140万~200万(税不明) |
---|---|
保証金 | 記載なし |
店舗数 | 22店舗(2023年12月時点) |
流行に合わせた店舗展開で
幅広く集客するなら
焼肉くるとんは、豊富な野菜で肉を包んで楽しむというコンセプトの韓国料理店です。 インフルエンサーを起用したSNS戦略による集客も実現可能としています。また、お子様メニューやデザート、豊富なドリンクを取り揃えており、幅広いターゲット層の獲得に繋がっています。
韓国ブームは「第5次韓流ブーム」と言われるほど根強く、流行りに合わせた店舗展開で、早期の売上アップを見込めます。
加盟金 | 記載なし |
---|---|
保証金 | 記載なし |
店舗数 | 5店舗(2023年12月時点) |
2023年9月22日時点、Google検索にて「レストラン フランチャイズ」と検索し、表示された54社を調査。フランチャイズ事業の業績がアップしたと記載があった(2023年12月調査時点)フランチャイズ本部は3社のみでした。